「おたく第1世代」は「オンライン→オフラインコミュニティ造りの第1世代」でもあった、ということは知られているのだろうか?

『ぼくたちの洗脳社会』は、今でもWEB上で全文が読めるので、興味のある方はどうぞ。

ひょっとすると、若い人だと著者の岡田斗司夫を知らない人もいるかもしれないので、経歴などはWikipediaを参照ください。1958年生まれの、通称「オタキング」。正真正銘のおたく第1世代です。「愛國戦隊大日本」は、さすがにYouTubeにもあがってますね。
それから初期の活動にある「ガレージキット」というのはアニメキャラのフィギュアのことだと思ってください(2003年の記述に「ガレージキットの草創期から公私にわたる交友がある海洋堂と組んで食玩開発」という記述もあります)。

さて、『ぼくたちの洗脳社会』に書かれていることは、今からはどう見えるでしょうか? 「マルチメディアを介して新しい集団が形成されて行く」という事に関して言えば、当時のパソコン所有者のほとんどは、ごく普通に予想していたことだと思います。なぜなら、既に1990年あたりから「パソコン通信」で同好の士が「オンライン」でつながり、「オフライン」で実際に顔を会わせる「オフ会」も頻繁に開かれるようになっていたからです(インターネットの普及自体はもう少し後になりますが)。

なので、私の感想もそこから外れた、

  • 著者が、今後現れるであろう新たなコミュニティで「洗脳」という名の「権力闘争」が起こるだろう、と予測していること
  • 今後の自己表現のあり方とされる「価値観のコーディネイト」が、自発的なものというより、他者からの評価が前提されているように感じられること

を念頭に書いているわけです。

これはこれで、今でも持ち越されているテーマなのかもしれませんが。